【スコープ比較】「NOVEL ARMS TAC ONE」vs「Bushnell AR OPTICS 1-4x 24mm Throw Down PCL」

【スコープ比較】「NOVEL ARMS TAC ONE」vs「Bushnell AR OPTICS 1-4x 24mm Throw Down PCL」
【スコープ比較】「NOVEL ARMS TAC ONE」vs「Bushnell AR OPTICS 1-4x 24mm Throw Down PCL」
 

人気スコープの徹底比較
NOVEL ARMS TAC ONE vs Bushnell AR OPTICS 1-4x 24mm Throw Down PCL

スコープといえば、スナイパーライフルに載せてブッシュややぐらの中に潜んで…というイメージが大きいかもしれないが、今回はアサルトライフルに載せるショートスコープの比較をする。
ショートスコープは遠方を見やすくするのはもちろん、倍率を1倍まで落としてドットサイト代わりにも使える、比較的近接戦に特化した使い方をする。
 
スコープは光学機器の中でも、ドットサイト以上にレンズの精度や光の透過度、剛性など多くの要素で丁寧な作りを求められる製品のため、安いからといって安易にノンブランドのレプリカに走るのはお勧めしない。いくら調整しても焦点が合わなかったり、レティクル調整ノブが同じ間隔で動かないなど、結局買い直しで余計に出費がかさむこともしばしば聞かれることだ。
 
今回の比較製品は、前回のドットサイト比較記事と同じくNOVEL ARMSとBushnellのショートスコープ比較を行ってみたいと思う。どちらもエントリークラスのモデルとはなるが、日本メーカーで実績もあるNOVEL ARMSと実銃での使用に耐える実物規格ながら安価な製品をリリースするBushnellとで、どのような差があるのか見ていこう。
 
ショートスコープ比較
左がNOVEL ARMS TAC ONE。右がBushnell AR OPTICS 1-4x 24mm Throw Down PCL。
 
ショートスコープ比較
 

基本スペック

NOVEL ARMS TAC ONE
重量:420g
全長:256mm
対物レンズ直径:24mm
対眼レンズ直径:31mm
チューブ径:30mm
倍率:1.25~4倍
レティクル:MILドット
照度調整:11段階
使用電池:CR2032
ORGA Webshopでの販売価格:13,240 円(税込)
 

Bushnell AR OPTICS 1-4x 24mm Throw Down PCL
重量:492g
全長:242mm
対物レンズ直径:24mm
対眼レンズ直径:31mm
チューブ径:30mm
倍率:1~4倍
レティクル:BTR(Bushnell Tactical Reticle)
照度調整:11段階
使用電池:CR2032
ORGA Webshopでの販売価格:38,900 円(税込)
 

全長、重量と最小倍率に多少の差はあるものの、基本的にはほぼ同じスペックを持つ両者。どちらを使っても、全く同じ状況で同じように対応ができるだろう。敢えて差を見出すならば、TAC ONEは倍率が最小でも1.25倍のため至近距離でのサイティングのしやすさにおいては若干AR OPTICSに劣る可能性がある(ただし1倍でもレンズを通した像には肉眼との差が生じるため0.25倍の差は大した数値ではない。)のと、AR OPTICSには倍率の変更のためにパワーチェンジレバーという補助具があるため瞬時の倍率変更操作がしやすいという点だろうか。しかし、どちらも使用していれば慣れの問題程度のものである。
一番大きな差は約3倍離れた製品価格だろうか。
 
パワーセレクター
 
右がAR OPTICSに搭載されたPCL(パワーチェンジレバー)。倍率変更時のセレクターの動きを補助してくれる。不要時は折り畳んでおける。
 

レティクル/レンズ

どちらも曇りや暗さ、色見などはなく、またどの倍率でも滲みもなくクッキリとした視界を確保。さすがは日本の規格をクリアした製品、または実銃用製品といったところか。
 
レティクルに関しては両者に大きな違いが見られる。
まず、TAC ONEに関しては一般的な十字型のレティクルで1ミルドットのメモリが中央部に刻まれている。「ミル」とはM.O.A.と同じ角度の単位で(M.O.A.に関してはこちらのレティクルの項で説明している)、1000m先で1mの幅を表す。倍率可変スコープにおいては最大倍率時、つまりTAC ONEに関しては4倍の時にこのミルドットのメモリが活かせる。サバゲーの交戦距離で考えると、1メモリあたり30m先では30mm、50m先では50mmの距離が測れるというわけだ。スコープを覗いたとき、このミルドットを使って対象物までの大まかな距離を測ったり、弾の着弾点がずれる場合の調整に利用できる。
 
対して、AR OPTICSであるが、こちらはBTR(Bushnell Tactical Reticle)というBushnellオリジナルのレティクルが採用されている。こちらはサークル状のレティクルの下に100ヤード刻みの目盛りがついた独特のもので、あくまで実弾の5.56mm弾を使用した際の距離による弾の落ち具合を考慮した目盛りであって、サバゲーでは使うことはないだろう。しかし、このレティクルはどの倍率時でも目盛りが活きる様、倍率に合わせてレティクルも拡大縮小するようになっている。
 
どちらも電池を使用することで赤く発光させることが可能で、TAC ONEは十字のうちミルドットが刻まれた中央部分のみが光る。AR OPTICSではレティクル全体が光るようになっている。
 
レティクル比較
左がNOVEL ARMS TAC ONE。右がBushnell AR OPTICS 1-4x 24mm Throw Down PCL。
 
レティクル比較
レティクル発光時の様子。
 

エレベーション/ウインデージ調整ノブ

レティクルの上下左右の位置を調整するノブだが、こちらも両者に違いがある。
スコープのエレベーション/ウインデージ調整ノブは回すとクリック感があるのだがこの1クリックでレティクルが動く幅がTAC ONEとAR OPTICSでは異なる。また、ノブを回せる量も両者異なるので、そのあたりの数値からレティクルの調節幅がどのくらいの許容量なのかを見てみよう。
 
NOVEL ARMS TAC ONE
1クリック:1/2M.O.A. = 50m先で6.9mm
エレベーション(上下)調整ノブの総クリック数:450 = 50m先で(6.9×450)約3.1m
ウインデージ(左右)調整ノブの総クリック数:420 = 50m先で(6.9×420)約2.9m
 
Bushnell AR OPTICS 1-4x 24mm Throw Down PCL
1クリック:0.1MIL = 50m先で5mm
エレベーション(上下)調整ノブの総クリック数:660 = 50m先で(5×660)3.3m
ウインデージ(左右)調整ノブの総クリック数:630 = 50m先で(5×630)3.15m
 
上記数値を見ていただければ分かる通り、両者とも上下左右、50m先で約3mの調整幅がある。調整幅の広さや調整の細かさで言えばAR OPTICSに若干分があるように思えるが、実際サバゲーでの使用を考えるとどちらも必要にして充分な調整が可能だ。1クリックで数mmの話なので調整の細かさも大差ないと考えて問題ない。
 
エレベーション ウインデージ調整ノブ
 

付属品

付属品に関しては、ドットサイト同様やはりエアソフト用と実銃用の差なのか、TAC ONEにはキルフラッシュが付属するが、AR OPTICSにはそういった類のものは付属しないので、何かレンズ被弾防止策は自分で取る必要がありそうだ。
その点はやはりNOVEL ARMSは気の利いたメーカーと言える。Bushnellはそもそも実銃での使用を想定しての製品のため別に気が利いてないというわけではないのだが…。bushnellを選択するユーザーはその点を考慮した上でも買うといった実銃品質への拘りがある人に向いているかもしれない。
また、TAC ONEにはフリップオープンキャップが、AR OPTICSにはレンズ保護キャップが付属する。
 
付属品
 
今回比較した2社のエントリーモデルのショートスコープだが、価格差がそれなりにあるもののサバゲーでの使用という点においては大きな性能差はなく、レティクルのデザインやパワーチェンジレバーの有無、ブランドの好みの違いで選択するとよさそうだ。Bushnellが高価すぎるということでは決してなく、むしろTAC ONEが異常に安いのだが、別に品質が悪いというわけではなくエアガンでの用途に充分適応できる完成度を保った上で最もユーザーに求めやすい価格で提供できる策を、製造の段階で工夫した結果がこの値段というわけだ。
どちらも性能面、信頼性では折り紙つきのメーカーのため、細かな違いをよく考えてプレイスタイルに合うショートスコープを見つけてみて欲しい。
 
 
NOVEL ARMS TAC ONEはこちら
Bushnell AR OPTICS 1-4x 24mm Throw Down PCLはこちら
 
 

光学機器比較レビュー一覧

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